「チャンスの神様は前髪しかない」「クランボルツ教授の計画的偶発性理論」の話をしてきましたが、私の好きな作家である宮本 輝さんは、随筆「命の器」の中で、父の言葉として以下のように書かれています。
運の悪い人は運の悪い人と出会ってつながり合っていく。
偏屈な人は、偏屈な人と親しみ、心根の清らかな人は心根の清らかな人と出会い、
そしてつながり合っていく。
『類は友を呼ぶ』ということわざが含んでいるものより、もっと興味深い法則が人と人との出会いを作り出しているとしか思えない。
仏教的な言葉を使えば、宿命とか宿業であったりする。
それは、事業家にも言える。
伸びていく人は、たとえどんなに仲が良くても知らず知らずのうちに落ちていく人とは疎遠になり、いつのまにか自分と同じ伸びていく人と交わっていく。
たくらんで、そうなるのではなく知らぬ間にそのようになってしまうのである。
抵抗しても、抵抗しても、自分という人間の核をなすものを共有している人間としか結びついてゆかない。
私は最近やっとこの人間世界に存在する数ある法則の中の一つに気が付いた。
『出会い』とは、決して偶然ではないのだ。
でなければ、どうして『出会い』が一人の人間の転機となり得よう。
どんな人と出会うかは、その人の『命の器』次第なのだ。
重いけれど受け止めて振り返ってみなければいけない言葉だと思います。
宮本輝さんが昭和61年10月15日に出版された作品です。
昭和61年、1986年ですね、もう40年も前。
このお正月に読み直してみました。
何度目かですが、いつ読んでもいい作品です。
「人が変わるにはどうしたらいいのだろう」と思われるでしょうが、簡単な方法は、時間の使い方を変える、環境を変える、付き合う人を変える、の三つです。これらは意識して行動すれば変えられますから。
2026年のスタートにあたり、3回に渡り書いてきましたが、何かの参考になれば幸いです。
2026年1月
社会福祉法人 鶯園
理事長 小林 和彦
