理事長ブログ

AIの話

2025年4月、新年度のスタートです。

2024年9月17日のブログ「青森にて勉強会、その2」で、「ICT化、介護DXの取り組みを行わなくても回っている程度の法人なんだという反省と、回っているから導入を後回しにし、学ぶことを怠ってきたことへの反省」のふたつの反省をしてから半年、やっとAIの導入を行います。

株式会社やさしい手が開発している「むすぼなAI」というシステムです。

他にも介護施設向けのAIはあり、普段からChatGPTなどを使いこなしている方ならば、翻訳、音声入力、会議録の作成などは無料ソフトも多くありますから、すでに活用している法人もあるのでしょうが、なにせアナログ世代なものですからどこから手をつけていいのかすら分からず、勉強会で友人である香取幹社長に何度も時間をいただき、説明してもらうところから始まりました。

「むすぼなAI」の主な機能は、会議録、ケアプラン作成、チャット、翻訳機能にはじまり、IoT機器と連携した音声入力による記録作成なども可能なツールです。導入のメリットは、記録を入力する時間やケアプラン作成などの時間効率を上げられることです。特に介護記録の音声入力は、時間短縮、簡素化とそれに付随する介護現場における、対人業務に専念できる環境整備に有効であると思っています。

今回の導入はうちの法人単独ではなく、一緒に勉強してきた勉強会のメンバー13法人が連携して同時にスタートします。福祉の分野のDXは、ずっと遅れているといわれてきている中で、勉強会のメンバーたちと連携して介護のDXが進められるのは非常に意義のあることだと思います。

いままでもさまざまな介護のDXの紹介を受けてきましたが、それらの商品やシステムがどれだけの介護現場のニーズを把握し、現場実践を通じて作られたのだろうか、現場から遊離したところで開発されたものではないのか・・・と思わされた経験も多くありました。

この「むすぼなAI」は、株式会社やさしい手が、月平均5万人という自社の利用者へのサービス提供を通じて自社の事業に必要なシステムを現場実践から作り上げたもので、それを提供していただきます。
低価格であり、みんなが使いやすいユーザー目線のAIと思い、メンバーたちにもすすめてきました。これでやっと一緒に導入する各法人・職員とスタートラインに立てたと思っています。

「むすぼなAI」は、普段、職場や個人で触っているAI(ChatGPTなど)と比べて、音声文字起こしやRAGなどの優位機能はあるにせよ、本質的に大きく変わるものではなく、また、「むすぼなAI」が介護に特化した情報を学習しているわけではありません。介護に特化しているのは、あくまでプロンプトのプルダウンから選べるなどのいわばユーザーインターフェースの部分であり、それが独自性なのだと感じています。

4月から13法人で活用をしていくわけですが、法人間でこういう使い方をしたらうまくいった、いかなかった、プロンプトを工夫したら可能になったなど、みんなで知恵を出し合って、AIによる技術革新と向き合っていきたいと考えています。

やさしい手には、メンバーからの改善要望は伝え続けますから、一緒にシステムを育てていくことも可能です。また、それこそが大切なのだと思います。
正直、まだ未成熟な分野だと思いますので、入力するデータの整理やプロンプトの好事例など、「介護のAI活用術」をみんなで育てていければと思っています。

AIってよく分からない・・・と思っている方が多いのでしょうが、エクセル、ワード、将棋AIなど身近なシステムがどんな仕組みでできているのか考える人はいないはずで、おもしろそうなので、便利なので使い方を覚えてみよう・・・から始まっていると思います。

「むすぼなAI」は、いろいろな機能がパッケージされた商品ですから、AI?・・・と抵抗感を持たずに、まず、使ってみたらいいのでは・・・、そして、それによって空いた時間を実感できたら、その時間をどのように活用し、どのように質の向上を図ることができているのか、という点についても、導入した事業者の皆さまで議論を深めたり、結果を教えていただければよりありがたいと思います。

繰り返しになりますが、再度「むすぼなAI」のメリットを整理させていただくと・・・
・現場実践から作り上げられたシステムであること
・低価格で導入ができること
・導入支援の体制が整っていること
・ユーザーの意見が反映され、みんなで育てていけること、でしょうか。

添付は、株式会社やさしい手の「むすぼなAIのご紹介」資料です。
参考までに・・・

むすぼなAIのご紹介

2025年4月1日
社会福祉法人 鶯園
理事長 小林 和彦

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