理事長ブログ

「トコちゃん物語」

本屋さんで加藤登紀子さんの自伝を見つけたので読んでみました。

『トコちゃん物語 いつも空があった 加藤登紀子自伝 誕生・青春編』

第1章 トコちゃんはみんなの希望
第2章 トコちゃんの青春時代
第3章 大学生で歌手に!
第4章 自由をつかみ、自由に歌う
第5章 疾走する流星の如く

2歳の時、トコちゃんは、満州から必死の思いで家族で引き揚げてきました。一歩間違えば死んでいたかもしれない!
日本中の人が厳しい試練を経験した時代でした。
そのようななか、台風で屋根が飛ばされても「トコ! 青空が見えるよ」とうれしそうに笑う母。「人生おもろないといかん!」と、とにかく前に進む父のもとで育ちました。
運動嫌いで引っ込み思案だったトコちゃんが、高校の放送部で活躍し、大学生になって歌手に。激動の1960〜70年代と向き合いながら、最愛の人と出会い、そして……⁉︎
生きてみないとわからない人生のおもしろさを、一緒にたどってみませんか。
(合同出版社ホームページより)

「加藤登紀子さんの自伝を読んだ」と周りに話すと、まず「誰ですか・・・」という返事に驚かされ、「100万本のバラの人」と伝えると、「あーあー、あの人ですね」

彼女が東大を出ていること、在学中に21歳でシャンソンコンクールに優勝して歌手デビューしたこと、獄中結婚をしたこと・・・などは、ほぼ知らない人の方が多かったです。

「獄中結婚をした」と伝えると、「彼女、刑余者なんですか」という返事も・・・
結婚した相手がですよ。藤本敏夫さん、60年安保の時の全学連の委員長・・・

60年安保ってなんですか???
全学連って???

時代の流れを感じますね・・・

この本は「対象:小学校高学年以上」となっています。
第二次大戦中に満州のハルピンで生まれ、終戦の後にソ連軍が侵攻してきて、混乱の中、帰国し、学生運動が盛んな頃、高校・大学時代を過ごし、歌手になり、獄中結婚をし・・・
本を読む前は、時代の激動を語っているのだろうというイメージでしたが、台風の後、屋根が吹き飛ばされているのに「トコ! 青空が見えるよ」と言った母の言葉のように、さらっと書いてあります。

今年が歌手デビュー60周年、81歳になられた加藤登紀子さんからの「あの時代を知らないより、少しは知ってほしい」というメッセージとして読ませていただきました。

追記
京都・南座の側に、加藤登紀子さんのお父さんのロシア料理の店「キエフ」があり、大学時代に何度か行きました。今ではメジャーなロシア料理、ボルシチもピロシキもこの店で初めて食べました。

この本を読んで、思い出して検索してみたら、まだ営業していました。
(失礼しました、お兄さんが継がれているのですね・・・)

鴨川のほとり、京都・南座近くのビル6階にある店「キエフ」は、1972年にオープンです。
私が京都の龍谷大に入学したのが、1977年ですから、もう50年以上も営業されていることになります。

京都には、学生時代に通っていた店がまだ何軒も残っています。
一軒は、大学の近所の「近善」、今でも大学時代の友人たちと定期的に行きます。
名物は、「かしわの山椒焼き」。
私たちの頃は、初代の大将でしたが、今は、3代目さんになっています。

「キエフ」にも久しぶりに行ってみたいです・・・

2025年9月30日
社会福祉法人 鶯園
理事長 小林 和彦

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