3:岡山県下の法人拠点のある市町の人口動態資料
添付は、岡山県下の法人拠点のある市町の人口動態資料です。
拠点の管理者たちが作ってくれました。
こうしてデータにしてみると、覚悟はしていたけれど、暗たんたる思いに駆られる数字です。
ここ2回のブログでは、「変革を求めない組織」「衰退する組織」について書いてきましたが、この「3:岡山県下の法人拠点のある市町の人口動態資料」を整理するための前段でした。
目を背けず真摯に向き合う:1,2では、
変革=イノベーションには、発想(パラダイム)の転換が必要です。
従来の発想をかえようとする気持ち、摩擦をおそれない気持ちが求められます。
こんなに変化の多い時代の中で、現状維持は後退しているのと同じことであり、そのまま の状態が続けば、やがて取り残され、衰退していくのは当然・・・
うちの法人の事業エリアにも継続性について考えなければならないエリアはあります。
2040年までに考えたらいいや・・・などという悠長なことを言っていられる状況ではなく、ここ2,3年のうちにどう対応していくのか決めるつもりです。「選択と集中」が必要であり、判断が非常に難しいところですが・・・。
と書いています。
コリンズ氏の言葉を借りるなら・・・
問題を認識し、受け入れ、基本に立ち返り、本業に集中し、強みを強化する。
そして、小さな成功を積み重ね、組織全体で方向性を共有し、柔軟に対応する。
です・・・
このデータを眺めてみると、いろいろなことに気付かされます。
拠点の管理者や職員たちが「現状なんとかなっているから・・・」と安易に考えているなら、ゆでガエル一歩手前ですね。
まさに、もう目をそらしていてはいけない、役職員が、ともに認識し、受け入れることが求められています。
基本に立ち返る=先のことを読むにはそれぞれの拠点の歴史、経過を振り返り、それから今後、どう対応していくのか考える。
本業に集中し、強みを強化する=その拠点の強みとは何か、それを活かしてどう対応していくのか考える。
そして、対応策が決まったら、組織全体で方向性を共有し、柔軟に対応する。
そのあとは、小さな成功を積み重ねていく・・・なのでしょう。
例えば、真庭市の蒜山地区の拠点であれば、
1993(平成5)年4月1日特別養護老人ホーム千寿荘 事業開始 定員30名
1995(平成7)年12月1日千寿荘ホームヘルパーステーション 事業開始
2004(平成16)年5月1日特別養護老人ホーム千寿荘 増床 定員50名
2007(平成19)年4月1日グループホーム蒜山 事業開始 定員9名
2007(平成19)年9月4日特別養護老人ホーム千寿荘 短期入所定員増床 9名
2012(平成24)年7月1日特別養護老人ホーム千寿荘 増床 定員70名
とニーズに合わせて事業を拡張してきています。
対して、人口は、2005年6,365人、2010年5,973人、2015年5,537人、2020年5,079人、2025年4,620人となっています。20年間で25%強の減少です。
旧蒜山3村の高齢者、要介護者の数字は、残念なことに真庭市でも把握されておらず・・・、
真庭市全体と旧蒜山3村の人口比率で推計した数字となっていますから、正確さに欠けます。ただし、高齢化率は高い地域ですから、現状は、人口減少に比例せず、さほど要介護者のニーズは減っていないのでしょうが、こういう地域は、減り始めるとあっという間であり、予想される未来です。
厳しい言い方をするならば、行政において旧村のデータが把握されていないこと自体が、行政もまたゆでガエル一歩手前なのでは・・・と思ってしまいましたが・・・
社会福祉法人鶯園の役職員は、蒜山エリアに限らず、まず、この岡山県下の各拠点のデータから目を背けず、真摯に向き合わなければなりません。
そして、基本に立ち返り、本業に集中し、強みを強化するためには何をしなければならないかを問われていると自覚すべきです。
追記
この3本のブログは、兵庫県立大学大学院経営専門職専攻の医療・介護マネジメントコースのフィールドスタディの10月の講義用資料として整理していたものです。
講義で話す以上、言いっぱなしで終わることなく、現場にフィードバックし、実践してなんぼ・・・ですから、ここから先は実践ですね・・・
2025年7月4日
社会福祉法人 鶯園
理事長 小林 和彦