令和6年1月1日に発生した「能登半島地震」で犠牲になられた方々にお悔やみを申し上げますとともに被災され、今なお厳しい避難生活を送られている皆様に心よりお見舞い申し上げます。
写真は、平成6年3月11日付の神戸市からの、『特別養護老人ホーム建設用地貸付の仮決定通知』です。
決定となった事業は、当法人の兵庫県下での事業スタートとなった平成9年4月1日開園のロングステージ灘です。
今年で事業決定から30年になります。
阪神淡路大震災の前年のことでした。
神戸市の公募が、神戸市内の法人限定から兵庫県内の法人に広げられ、その後、全国公募となり、やっと巡ってきた応募でした。
公募書類の提出期間が平成5年12月1日から21日、12月18日に書類を提出し、翌年の3月11日付けで仮決定をいただいたことになります。
本来であれば平成9年4月1日のロングステージ灘の開園から何年と数えるのでしょうが、神戸市内に拠点施設を持たない中で、震災を経て、3年間の準備となったこの事業決定が私にとってのスタートの日です。
この30年間を振り返り、10年先、20年先に向けてrestartしていきたいと考えております。
それまで神戸市の特養は六甲山北側の北区や西区を中心に整備され、地価の高い六甲山南側の旧市街地での整備が進んでおらず、この決定時点では、灘区には1施設あるのみで、東灘区で2施設、中央区で1施設が建設中でした。
現在、神戸市の各区に多くの特養が整備されていますから、平成12年の介護保険の導入は大きく世の中を変えたと思います。
ロングステージ灘は、平成6年度には工事開始、職員採用も始めましたが、平成7年1月17日に阪神淡路大震災が起こり、工事は中断、半年遅れて開園となります。
神戸市での事業開始にあたり、岡山県北部にしかなかった法人の施設で、平成7年4月から1年間経験を積むことを条件にオープニングスタッフを採用しました。内定は平成6年度中に行いましたから、震災の影響で2年間待たせることになりましたが、7名の職員たちがついてきてくれました。今もその中の3名は残っています。
新設施設の立ち上げほど、本人たちの能力を引き出せる経験はないと思っています。
立ち上げのメンバーにはいい経験をしてもらいたい、また、大学卒の職員が自信を持って「福祉の仕事をしている。」と言える職場にしたいと思ってきました。
開園に必要な40人強の職員を採用しましたが、今も残って頑張ってくれているのは7名です。
この30年の間に多くの職員との出会いがありましたが、皆さんの力をお借りして今日があると考えております。厚く御礼申し上げます。
2024年3月
社会福祉法人 鶯園
理事長 小林 和彦