理事長ブログ

阪神淡路大震災から30年

昨年12月5日にNHKのディレクターさんからインタビューを受けました。

「阪神淡路大震災からの30年を、当時の映像を使って振り返りたい。映像の中に神戸福生会の故中辻直行理事長(以下、中辻さん)の映像がたくさんあり、当時の支援活動のことを知っている方にインタビューしている。」とのこと。

中辻さんの長女であり神戸福生会の理事長である大和田さん、当時の支援活動に関わった、山内常務理事をはじめとする神戸福生会の職員の皆さん、九州の社会福祉法人の有志による支援活動に関わった、福岡県の慈愛会の平田常務理事などのインタビューを経て、中辻さんの人となりを一番知っているだろうということで、私のところにも連絡がありました。

本来であれば、中辻さんをはじめ、被災者支援に関わっておられた梁勝則(リャン・スンチ)医師、仮設住宅の支援を行っていた黒田裕子看護師、九州からの社会福祉法人の支援チーム派遣を呼びかけた佐賀県の寿楽園の鹿毛幸広さんなど、現に支援活動を行った方々の話を聞くことができれば良かったのでしょうが、30年の歳月は長く、残念なことに皆さん鬼籍に入られてしまいました。

支援活動を行ってくださった方々のことはネットで検索していただければ、その想いや活動を知ることができる時代ですから、ぜひお読みいただければと思います。

当時の状況については、昨年1月の「阪神淡路大震災から29年」でも書かせていただいております。

阪神淡路大震災から29年 | 社会福祉法人鶯園 法人本部コーポレートサイト | 福祉・介護サービス、保育事業 | 岡山県津山市・真庭市、兵庫県神戸市・明石市・宝塚市

また中辻さんは、遺作となった『いま、福祉の原点を問う』(筒井書房 2013年11月1日発行)の中でも阪神淡路大震災の苦闘について書き残しておられます。

書籍のご紹介|社会福祉法人神戸福生会|福祉・介護サービス|兵庫県神戸市

阪神淡路大震災と中辻さんについては、挙げればきりがありません。

中辻さんの活動で特筆すべきは、被害の大きかった長田区で、自身が経営する特別養護老人ホームの利用者を守るだけでも精いっぱいだった中、九州の社会福祉法人の有志たちやボランティアの皆さんと共に長田区内の避難所の高齢者の調査を行い、神戸市と交渉して、制度のない中、介護・看護の必要な高齢者支援のため、神戸市立在宅福祉センターサルビアを福祉避難所として整備し、支援を行ったことでした。
その活動の教訓は、その後災害が起こる度に行われるようになった社会福祉法人による支援活動や、制度化された福祉避難所として今に続いています。

もう一つ書いておきたいことは、当時、中辻さんがマスコミや厚労省に対して、「この避難所で支援もなくおかれている高齢者の姿が30年後の日本の姿だ。」と繰り返し言っておられたことです。それが2000(平成12)年に施行された介護保険制度導入の機運になったと思っています。

インタビューで、「最後に当時を振り返って一番思うことは何か。」と聞かれました。

「中辻さんがあの場所にいたこと、それに賛同した人たちの輪が広がり、立ちあがったことが奇跡だったと思います。」とお伝えさせていただきました。

2025年1月17日
社会福祉法人 鶯園
理事長 小林 和彦

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